1/17(水) AM9:14「巨大イベント」
わたしは母と弟の3人で、とあるイベント会場に来ていた。
とても広い会場で、面積は大きめのサッカー場くらい。観客席にも溢れかえるほど人がいて、入場は誰でも無料でOK。
よくわからないスポーツや踊りなどの催しを、一般参加方式で開催していた。
そんな中、わたしも一つのものに挑戦する。
それは鉄骨階段渡り。細い階段を、横に張られたロープを頼りにして渡りきるといったもの。
わたしはこういうのは得意で、スイスイ進んでいく。後ろはつっかえて、だんご状態になっていた。落ちても下は緊急用のクッションがあるから安全だ(一つしかないけど)。
すると隣にもう一つ階段があるのを知ってか知らずか、ゴール直前に老人が向こうから渡ってきた。
「ハイ、通るからちょっとすいませんね」
そう言いながらわたしをどけて反対方向へ進んでいく。
階段から足を外させざるを得なくなったわたしは、ロープにしがみついた。
老人が通り終わるのを待っていると、観客席から悲鳴が聞こえてきた。前を見ると、向こう側のロープが切れかかっている。
後ろの人達は避難を終えたが、わたしがあまりにも早く進んでいくので、救護班はわたしに追い付けなかった。
ついにロープは切れ、わたしは15m下の地面へと叩きつけられる。
その直後は記憶がない。ただ目を開けても、痛みなどは何も感じなかった。
体を起こすと、歓声が湧き上がる。母や弟が駆けつけ「大丈夫?」と口々に聞いてくる。
わたしは無傷だった。その日はネオン街と花火をバックに写真を撮り、ストロベリーアイスクリームを食べながら帰ろうと会場を出た。
ついでにその写真をSNSにアップしてみると、それが爆発的な反響を呼び、ニュースでは度々「会場の危機管理が甘すぎた」と評論家が口にする。
老人や主催者の謝罪ももらったが、もちろん許した。
後にわたしは「奇跡の無傷少女」との異名をつけられ、一躍時の人となった。
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